普段の仕事が忙しく、なかなか自分のキャリアについてじっくりと考えることができなかったり、キャリアや転職について考えようにも、どのように考えたらいいか分からなかったりすることがあるかと思います。
今回、20代〜30代の方に向けて、キャリアについてどのように考えたらいいのか内容をまとめました。記事の内容を参考にして、ぜひキャリアの考えを深めてみてください。
【キャリアの考え方】川下り型・山登り型とは
まずキャリアの考え方は、大きく分けて、下記の2つパターンがあります。
【キャリアの考え方】
① 川下り型キャリア
② 山登り型キャリア
「川下り型キャリア」とは、川の流れに身を任せながら進んでいくように、キャリアが作られていくパターンのこと指します。
「山登り型キャリア」とは、登る山(と頂上)が決まっており、それを目指して逆算的にキャリアを作っていくパターンのことを指します。
「キャリア」の語源
「キャリア」の語源は、英語の馬車「carriage」の轍(わだち)からきています。
キャリア(carrer)とは
キャリア(career、carrier)の語源は、英語の馬車「carriage」の轍(わだち)だと言われています。そこから、人がたどる行路やその足跡、経歴、遍歴なども意味するようになりました。
自分が歩んできた人生の長い道のりをふりかえると、そこにはそれまで自分の馬車が刻みつけてきた轍が残されています。人生の終焉まで馬車は歩み続け、そこに轍というキャリアができるのです。
つまり「キャリア」とは、生涯の様々な役割を果たす過程で、自分と向き合い、自分の仕事や人生に意味を見つけ、自らの役割の価値や自分と役割の関係を見いだしていく積み重ねです。そして、これからどこに辿りつけそうなのか、どこへ向かいたいのかの展望ともいえます。
【参照】キャリアデザイン | 国立大学法人 大阪教育大学
つまり、キャリアは「その人がたどってきた道や軌跡」つまりは過去積み重ねてきた『経歴 』のことを指します。
キャリアのことを考える行為には、「未来」のことだけを考えるのでなく、今まで積み重ねてきた「過去」のことや、今積み重ねているまさに「現在」のことも考えることが必要なのです。
より具体的な内容について、先ほどご紹介した2つのパターン「川下り型」「山登り型」をもとに詳細をお伝えしていきます。
「川下り型」キャリアと「山登り型」キャリアの詳細
「川下り型」キャリアの解説
「川下り型」キャリアとは、川の流れに身を任せながら進んでいくように、その時々の状況に合わせながらキャリアが作られていくパターンのキャリアづくりです。
「山登り型」のと大きく違うのは、目指すべきゴール(頂上)が設定されていないということです。
川の流れに身を任せるように、その時々で経験・実績を積むように、うまく身をこなしていくようなキャリア作りのことを指します。
こうした「川下り型」のキャリアを歩みやすいタイプは「大企業で働く、総合職のビジネスパーソン」です。総合職のため、どの場所で、どんな職種で、どのようなキャリアを積んでいくのか、自分で決めにくいためです。
一見「川下り型キャリア」は良くないキャリア形成のように感じるかもしれませんですが、実はそうではありません。
自分のやりたいことが明確に定まっていない人、または特に明確に決めなくても良いと思っている人にとっては、自分が想定しえなかったいろいろなキャリア機会を手にすることができ、今後の自分のキャリアを考えるよい材料をたくさん得ることができます。
例えば、突然の異動によって、思ってもみなかった領域や職種にチャレンジできて、自分がやりたいことに気づけたり、専門性を高めていきたいと思える領域や職種に出会える機会に巡り合うことができたりするのです。
「川下り型キャリア」では、偶然の出会いや機会を大切にして、スキルを磨き、結果を出していく意識と行動が大切になります。そうすることで自分のキャリアの市場価値も高めていくことが可能になります。
また、一方で、会社に翻弄されていると感じてしまいやすく、受け身で仕事をしすぎてしまうと「もっと自分に合う状況があるのではないか…」「自分のキャリアはこのままでいいのか…」と不安や不満をつのらせてしまう可能性があるので、その点は注意したほうがよいポイントです。
「山登り型」キャリアの解説
「山登り型」キャリアとは、登る山(と頂上)が決まっており、それを目指して逆算的にキャリアを作っていくパターンのキャリアづくりです。
ゴール(登る山と目指すべき頂上)が決まっているので、あとは登頂できるように、最適で効率的なルートをなるべく選んで登っていくキャリアの考え方です。
こうした「山登りが型」キャリアを歩みやすいタイプは、「なりたい職業や興味のある分野がはっきりしてる人」「専門性が高い金融機関で働いている人」「公認会計士や税理士、USCPA、弁理士などの士業を持っている人」です。
登る山(と頂上)が決まっているので、あとは、スキルを身につけ、実績を出すことで、描くキャリアに近づいていくことができます。
そのため比較的「川下り型」キャリアを歩む人より「山登り型」キャリアを歩む人のほうが、キャリアに対して悩みが少なく、着実に実力を築いていくことができます。
ただ、登る山を変えたいと思った時には、一度下山する必要があるように、仕事や職種などを自分では変えにくい難しさがあったり、その道に固執するあまり、自分の視野が狭く、自分自身のキャリアの可能性を広げるキャリア機会を逃してしまったりすることがあるので、その点要注意したいポイントです。
20代〜30代のキャリアの考え方
20代〜30代のキャリアづくりで、おすすめなのは下記です。
20代は「川下り型キャリア」を歩みつつ、どんな山を登って行きたいのか好奇心をもって模索し、30代以降は、「山登り型キャリア」にシフトチェンジしていくことです。また、もし30代以降でも「川下り型キャリア」となる機会に出くわしそうな時は、臨機応変に柔軟に受け入れてキャリアづくりすることです。
生き残るものは「強いもの」でなく「変化に対応するもの」と言われるように、これからの時代の中では、この「変化対応力」ということが非常に重要なキーワードになってきます。
20代のうちから、登る山(と頂上)を決めきってキャリアを歩むのでなく、「川下り型」キャリアで、その時々での偶然の出会い・機会をうまく活かし、どんな環境でも活躍できるポータブル(汎用的)なビジネススキルを身につけ、自分の市場価値を押し上げてくれる実績を残せるよう努力していくことが大切です。
そして、「川下り型」キャリアを歩む中で『自身が本当に心からやりたい…、チャレンジしたい…、突きつめてプロフェッショナルになりたい…」と思う、領域や職種を探し、30代以降は、決めたことの高みを目指す「山登り型キャリア」にチャレンジしていくのがよいと思います。
キャリアについて第3者に相談したい場合
今回、「キャリアをどのように考えたらいいのか分からなくて悩んでいる」方に、「川下り型」と「山登り型」のキャリアについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。
キャリアのことを悩んだ場合内省して考えるだけでなく、転職サイトを活用して、自分の市場価値を知ることも一つの手です。
転職サイトの『BIZREACH』を登録することで、企業や転職エージェントからスカウトをもらうことができます。
そのスカウトを送ってくれる企業や、スカウトに記載されている提案求人をみることで、自分の経歴からの可能性や、自分の市場価値(例えば手が届く可能性のある年収範囲や役職など)を知ることができます。
BIZREACH(ビズリーチ)
また、ハイクラス転職・キャリア支援で25年の実績を持ち、国家資格を持つキャリアコンサルタントが9割以上しめるブティック系(小規模)の転職エージェント『クライス&カンパニー』も、キャリア相談にしっかりのってると定評なので、一度相談してみることもおすすめです。
クライス&カンパニー
キャリアについて、じっくり自分で考えてみたいという人は、「外資系の組織・人事のコンサルティングのプロがオススメしている本について紹介している」記事や「80,000人以上が閲覧したキャリア&転職本 厳選10冊」記事をご覧になってみてください。